第23話久しぶり

セーブル視点

三時間は、永遠のように長く重苦しく過ぎ去っていった。私はホテルのカーペットの上であぐらをかき、母さんの壊れたネックレスをつなぎ合わせようとしていた。

銀のチェーンを熱すれば、柔らかくなってつなぎ直せるかもしれない。

クローゼットの中にあった衣類スチーマーを見つけ、コンセントに差し込む。その機械はシューッという音を立てて起動し、熱い蒸気を安定して吐き出し始めた。

これなら、いけるかも。

私はねじれたチェーンを蒸気の吹き出し口に近づけた。銀が温まり、わずかに柔らかくなり始める。

頼む、元の形に戻って……。

その時、スマホがブブッと震え、私は何も考えずに手を伸ばした。

...

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