第26章:彼はとても暑い

手の動きはより切迫し、必死さを帯びていった。あと少し、もう限界だというのに、何かが私を引き止めていた。

数分が経過した。手は狂ったように動いているのに、絶頂にはどうしても手が届かない。自身は張り裂けんばかりに勃起し、疼くように痛む。これほど硬くなったことは、これまでの人生で一度もなかった。

俺はいったいどうしてしまったんだ?

私は荒く苦しい息を吐きながら、壁に強く寄りかかった。汗がシャワーの水流と混じり合い、肌を滑り落ちていく。

その時、それが聞こえた。

寝室から聞こえる、微かだが苦痛に満ちた叫び声。悪夢にうなされるセーブルの声だった。

番(つがい)が苦しむその声が、私の理性の...

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