第40話ホームレッカー

大理石の階段から、興奮した甲高い歓声が響き渡った。ピンク色のプリンセスドレスを身にまとった小さな人影が、階段を飛ぶように駆け下りてくる。その一歩ごとに、茶色い巻き毛が弾んでいた。

デイジー。私の妹。父と、継母ヴィクトリアの娘。

彼女が両手を大きく広げ、ハグを求めて私に向かって飛び込んできた瞬間、胸がぎゅっと締め付けられた。

私は本能的に後ずさりした。

デイジーが私につけたあだ名は、いつだって特別なものだった――私の名前と、彼女が大好きなチョコレートを組み合わせた造語だ。私をそう呼ぶのは彼女だけだった。彼女はいつも、そんなふうに何の屈託もない純粋な憧れを込めて私を見ていた。

私が引いた...

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