第167章エレナのノーザントレック

エレナ視点

朝、オーウェンおじいさまとクララおばあさまと一緒に朝食を食べていると、手紙が届いた。北の領地にいるママからの、急ぎの手紙だって配達人の人は言っていた。

わたしはまだ上手に字が読めなかったけど、ママの丁寧な字で書かれた「エレナ」と「ママ」と「病気」という言葉はなんとかわかった。クララおばあさまがそれを読んでくれたとき、顔が真っ青になった。

「ママ、死んじゃうの?」

言葉はささやき声になった。

「そんなことはないよ、かわいい子」オーウェンおじいさまがすぐに言ったけど、声の調子がおかしかった。「今すぐ会いに行って、必ず元気になるようにしてあげるからな」

わたしはすぐにでも出発...

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