第115章 少し危険

「今野敦史! 待てってば!」

 古川由紀もまた、今野敦史の後を追って駆け出した。

 海辺にたどり着くと、そこにはすでに人だかりができていた。

 今野敦史は強引に前の人間を押しのける。

「退け!」

「誰だ! ふざけんな!」

 前の男が苛立ちを露わにするが、振り返ってそれが今野敦史だと気づくや否や、慌てて道を開けた。

 人垣の最前列に出た今野敦史は、倒れている男女の姿を確認し――そこでようやく、安堵の息を漏らした。

 遅れて追いついた古川由紀も覗き込む。倒れていたのは中林真由ではなかった。

 今野敦史は何度か深く呼吸を整えると、踵を返して歩き出した。

「今野、おい今野敦史、待...

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