第116章 中林真由は君の所に?

「さっき中山社長と女がこの辺にいたのを見たけど、あの女、海に突き落とされたんじゃないか?」

人混みの中から、ある女が小声でそう呟いた。

今野敦史は反射的にその女を振り返った。「中山社長? どの中山だ」

女はびくりと肩を震わせ、おずおずと答える。「建材屋の中山尊ですよ、あのデブの……」

「奴なら三〇九号室です!」警備マネージャーが即座に部屋番号を告げた。

今野敦史は宿泊棟の方へ大股で歩き出した。

古川由紀もその異様な気配を察して後を追う。もしあの中山尊が中林真由に何かしたとなれば、ただでは済まないだろう。

二人はエレベーターを降り、三〇九号室へ直行した。

ガン、ガン、ガン!

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