第124章 自由を得る

島へ渡る時、中林真由は今野敦史のヘリコプターに同乗していた。

 しかし去り際になって、今野敦史は彼女を連れて行こうとはしなかった。

 ヘリコプターは移動速度が速く、市内へ直行するため、まずは嵩張る荷物だけが先に運ばれていく。

 最後の機体が離陸準備に入る頃、中林真由はまだスーツケースを提げ、列の最後尾に取り残されていた。

 今回の集まりには多くの参加者がいたが、ヘリに搭乗できるのは四階以上の客室を与えられたVIPのみ。今野敦史の同伴という立場を失った今、彼女は船で帰るしかなかった。

 その光景は、周囲の邪推を呼ぶには十分だった。

「昨日、今野社長は彼女を探すために総動員かけてなか...

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