第140章 色気を振りまく

飛行機の到着予定時刻を過ぎても、着陸までにはまだあと三十分はかかるというアナウンスが流れていた。

中林真由は手持ち無沙汰に、空港の到着ロビーのベンチに座っていた。

何度か小林洋子にLIMEを送ろうとスマホを取り出したが、結局その指は止まってしまう。今の自分に、洋子にかける言葉など見つからなかったからだ。

自分のせいで小林洋子を巻き込み、彼女のお腹の子まで失わせてしまった。

横田徹也のことを思い出すだけで、反吐が出るほどの嫌悪感が込み上げてくる。

ビジネスの世界で多くの人間を見てきた真由だからこそ断言できる。横田徹也は決して善人ではない。だが、それをどうやって洋子に伝えればいいのか、...

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