第144章 高望み

翌朝早く、中林真由はホテルへ石田渉を迎えに行き、二人で病院へと向かった。

 石田渉の姿を見て、中林雪乃の表情がぱっと明るくなった。

「渉じゃないか。来るなら事前に言ってくれればよかったのに。そうしたら嬉しくて、家に帰ってご飯を作ってあげられたかもしれないよ」

「叔母さん、サプライズに決まってるだろ? 料理はいいよ、これからは俺が作ってあげる。俺だって料理くらいできるようになったんだから」

 石田渉は病室を見渡した。

「ここは環境もいいし、気分よく過ごせれば病気の治りも早くなるはずさ。これからは俺もちょくちょく顔を出すよ」

 中林雪乃は首を横に振り、寂しげな表情を浮かべた。

「私...

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