第148章 死ぬべき

中林真由は意識が朦朧としたまま車を発進させた。ハンドルを握る手は頼りなく、何度か対向車や並走する車と接触しそうになる。

 周囲のドライバーたちが窓を開け、罵声を浴びせてくる。だが、中林真由は一言も発しなかった。まるで感情回路を切断されたロボットのように、ただ虚空を見つめている。

 危険なのは分かっている。しかし、どうしても意識を運転に集中させることができない。

 これ以上は事故を起こすと本能が告げ、彼女は路肩に車を寄せた。

 暖房を最大にしているはずなのに、体の芯が凍りついたように寒い。

 もし、これが今野敦史の仕業だとしたら、どうすればいい?

 今の自分には、彼に対抗する力など...

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