第173章 帰りたくない

情事は、空が白むまで続いた。

 ベッドに横たわる中林真由の意識は、まだ混濁している。

 久しく抱かれていなかった身体は、今にもバラバラになりそうなほど軋んでいた。

 一方、今野敦史は一時間ほど仮眠をとっただけで、何事もなかったかのように精悍な顔つきで起き上がった。

 中林真由が寝返りを打つと、目を覚ましたことに気づいた今野敦史が、強引に彼女の腕を引いた。

「服を着せろ」

「疲れています……」

 中林真由は再び布団に潜り込もうとする。

 今野敦史はさらに強く彼女を引いた。

「俺の時間を無駄にするな。このあと重要な会議がある」

 中林真由は彼を睨みつけた。彼に重要な会議がある...

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