第174章 試してみる

中林真由が寝室に戻り、身支度を整えたのとほぼ同時に、今野敦史がドアを乱暴に閉めて出ていく音が響いた。

 彼女は長く、重い息を吐き出した。今野敦史がいない場所でなければ、彼女は心からリラックスすることなどできない。

 その時、携帯電話の着信音が鳴った。画面に表示された「今野夫人」の文字を見て、彼女は少し困惑したが、礼儀として出ないわけにはいかなかった。

「はい、奥様」

「中林真由さんね? 昨日、あなたが敦史と一緒に出ていくのを見たわ。彼の車がまだ家にあるけれど、二人とも無事なの?」

 今野夫人は、昨日の二人の進展を探ろうとしているのだ。

 もし何もやましいことがないのなら、今野敦史...

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