第186章 今野社長は都合が悪い

中林真由はコーヒーを手に、応接室へと戻った。

 まさか今野敦史ともあろう者が、そこまで無茶をするはずがない――そう自分に言い聞かせながら。

 確かに、彼の女として長く傍にいた私でさえ、社員のいるオフィスで行為に及んだのは一度きりだ。

 勤務中に我慢できなくなるなんてことが、あり得るだろうか。

 いや、中林真由はふと思い直す。あの男ならあり得なくもない。直接的なセックスでなくとも、やりようはいくらでもあるのだから。

 真由はぎゅっと目を閉じ、今野敦史の情事を想像するのをやめた。

 さらに一時間が経過しても、呼び出しはかからない。

 痺れを切らした真由は、秘書課へと足を運んだ。

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