第189章 危険

中林真由は、今野敦史という男を信じた自分を激しく呪った。これほど冷え切った関係になっているのに、彼がまともな情報をくれるなどと、なぜ期待してしまったのか。

 彼はただ、真由を弄んでいるだけだ。

 会社で何時間も待たせた挙句、こうして自宅に呼びつける。そうやって「お前はどう足掻いても俺の手のひらから逃げられない」と思い知らせたいだけなのだ。

 もう限界だった。今野の顔を見るだけで、胸糞が悪くなる。

 時計はすでに深夜〇時を回っている。今すぐ帰らなければ、睡眠時間すら確保できない。

 帰ろうとしたその時、今野敦史がいきなり踏み込み、真由の腰を抱き寄せた。そして手に持っていたドーナツを強...

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