第23章 嫉妬したの?

今野敦史が廊下に出ると、ちょうどその奥で中林真由が涼んでいるのが見えた。

彼女の艶めかしい影が、壁に映し出されている。

少し暑かったのだろうか、彼女が何気なく長い髪をかき上げると、背中の赤いほくろがちらりと見えた。

今野敦史はごくりと喉を鳴らし、無意識に彼女の方へと歩み寄っていた。

中林真由が息をつこうとした途端、腕を掴まれ、そのまま非常口の前まで引きずられていく。

今野敦史は彼女を壁に押し付けると、高みから見下ろした。

先ほど山田陸も、こうして彼女を見ていた。この角度は、ちょうど彼女の鎖骨にあるネックレスと、半分ほど覗く豊かな胸が見えるのだ。

山田陸の優しい眼差しを思い出し、...

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