第44章 人生の大事

中林真由が必死に足をばたつかせると、今野敦史はいっそ彼女の両足を開かせ、そのまま体を寄せた。

「なんだ? 本気で山田陸につく気か? そんなに拒むとはな」

彼の熱い息が酒気と共に吹きかかり、舌先が中林真由の耳たぶを執拗に嬲る。

敏感な部分をキスされ、中林真由は無意識に首を仰け反らせた。その瞳には、一筋の絶望が浮かんでいる。

「今野敦史! あなた、阿部静香のために操を立てるってことはできないの?」

彼女の声は少し掠れ、体は絶えず震えていた。

彼女の太腿を撫でていた今野敦史の手が、ふと止まる。彼は目を細め、危険な光を宿して彼女を睨みつけた。

「操を立てる? お前と寝るのは浮気じゃない...

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