第88章 証言してくれ

今野敦史は会社へ向かうと言っておきながら、途中で行き先を変えた。

胸の奥で何かが燻っているような感覚が消えない。あの忌々しい女め、ズボンを穿いた途端に他人行儀になりやがって。

昨夜はあれほど俺の下で欲しがって、何度も誘ってきたくせに。朝になったら一言も発さず、同じ車に乗ることさえ拒むとはどういうつもりだ。

考えれば考えるほど苛立ちが募り、結局そのまま佐藤拓海との提携話を進めに行くことにした。

中林真由にはいくら良くしてやっても、翌日には掌を返したように他人の顔をする。まさか、昨日は満足できなかったとでもいうのか?

昨夜、自ら求めてきた彼女の姿を思い出し、今野敦史は舌なめずりをした。...

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