第10章

長谷川冬月との電話を切り、私は使い古されたソファに腰を下ろした。心臓はまだ激しく鼓動を打っていた。

計画がある。本物の、計画が。

「明日の午後三時、記者会見を開く」

長谷川冬月の声は鋼のように固かった。

「本当に、俺と一緒にやる気はあるか?」

「ええ。今度こそ、一緒に戦うわ」

計画通りに警察へ通報し、それから病院に連絡して母の警備を強化してもらった。すべては、話し合った手順通りに進んでいた。

翌朝、長谷川冬月と話したにもかかわらず、私は一睡もできていなかった。喫茶店のテレビが長谷川冬月の記者会見の速報を流したとき、私の心臓は高鳴った――恐怖からではない。期待からだ。

...

ログインして続きを読む