第7章

翌朝、私はベッドの端に腰掛け、目の前に広げられた、使い古されたスーツケースをじっと見つめていた。中に入っているのは、私の全人生の哀れな名残だった。何度も洗濯されて灰色になってしまった数枚の服、ページの間に写真を挟んだあの古い本、そして、いくつかの仕事で使った制服の山。

配達用の制服を手に取った。肌をこするほどごわごわした生地は、決して落ちることのない油の染みがついていた。ふと、三年前、初めてこの制服に袖を通した日の記憶が洪水のように蘇ってきた。

雨が小さな針のように顔を打ち、電動スクーターはニューヨークの街路をふらつきながら進んでいた。ハンドルを握る指は白くなるほど力を込めていた。...

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