宇宙は私たちにしるしを送っている

彼がまさか、こんな形で私のプライバシーを侵害しようなんて、信じがたいことだった。心のどこかでは、実際に彼がそれを実行するかどうか見届けてやりたいという気持ちもある。そうすれば、彼の上に思いきり雷を落としてやれるから。

だが、そんな悠長なことは言っていられない。今の彼に常識は通用しないのだ。

私は走り出し、彼を追い越すと、彼が手を伸ばした瞬間に引き出しの前に立ちはだかった。

「やめろって言ったのが聞こえなかったの、フィン?」

彼は私を睨みつける。「どけ、スローン」

「本気で言ってる?」

「兄貴のこととなると、お前は女の部分でしか物事を考えられなくなるみたいだからな」彼はそう言い捨て、...

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