第32章

柳田佳恋はすぐに立ち上がり、この美しい女性を止めた。「ご予約はありますか？」

佐藤利里は目を見開いて言った。「悟兄さんに会うのに予約が必要なの？」

柳田佳恋はすぐに公務的に言った。「ご予約がない場合は、少々お待ちください。塚本社長にお伝えします。」

佐藤利里は美しい目を見開き、足を踏み鳴らした。「私を止めるなんて、どういうこと？」

柳田佳恋はこの表面上は柔弱で美しい女性が、実はこんなに気性の荒い人だとは思わなかった。

しかし、彼女は見知らぬ人を塚本悟のオフィスに自由に出入りさせるわけにはいかない。すぐに言った。「少々お待ちください。お伝えしてまいります。」

柳田佳恋はそう言うとす...