第49章:一歩。そしてもう一つ。

朝の陽光がヴィラを柔らかな黄金色の光で満たし、セラの部屋の高い窓から差し込んでいた。ラベンダーのかすかな香りが空気に漂い、デイモンが先ほど持ってきたばかりの新鮮なバラの香りと混じり合っている。外では小鳥のさえずりが春の到来を告げていたが、部屋の中では、また別の種類の再生が始まろうとしていた。

セラはベッドの端に腰掛け、裸足がふかふかのカーペットに触れていた。そのエメラルドの瞳は静かな決意に輝き、まるで戦いに備えるかのように、マットレスの縁を固く握りしめている。

「本当にいいのか、セラ?」デイモンの声は穏やかだったが、心配の色がにじんでいた。彼は彼女の前に立ち、その嵐のような灰色の瞳で彼女を...

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