第52話あなたの魔法が効くか見てみよう

沈みゆく太陽の黄金色の光が、ペントハウスの大きな窓から差し込み、豪華なリビングルームに長い影を落としていた。ソファにはセラフィナが身を丸めて座っている。その隣にはデイモンが腰掛け、袖を肘までまくり上げていた。露わになった前腕には、かすかな傷跡がいくつも走っている――今の彼になるずっと前に戦った、数々の戦いの小さな名残だ。

隅のスピーカーからは柔らかなインストゥルメンタルのメロディがかすかに流れ、それ以外の音は、デイモンが持つウィスキーグラスの氷がカランと鳴る音だけだった。セラは紅茶の入ったマグカップを両手でしっかりと包み込み、暖を取りながらデイモンの腕にわずかに寄りかかっていた。それは稀な静...

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