第673話

孫さんは団地内をぐるっと一周し、すでに四十代の女性清掃員とも少し話を交わしていた。その女性が今日の団地の衛生状態の悪さや、緑地帯の木の枝に破れた衣類が無造作に捨てられていることについて愚痴るのを聞いていたのだ。

孫さんは清掃のお姉さんとしばらく話した後、彼女が豊満な大きなお尻を揺らしながら立ち去る様子を見送り、ようやく名残惜しそうに振り向いて団地を出た。

再び当直室に戻ると李さんがまだ戻っていないことに気づき、孫さんは少し不安になった。

李のやつが一人で呼ばれて叱られているんじゃないかと思案する。結局、孫さんが李さんに会議に行くよう言ったのだから、もし本当にそうなら助けに行かないのは義理...

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