第16章

朝焼けの光が差し込む早朝。

床に射し込む朝日に、酔いつぶれていた水原明美はようやく目を覚ました。

起き上がると、ここは自分の部屋ではないことに気づく。見覚えがあるような、ないような空間。

水原明美は思い出した。ここは以前、古崎正弘と暮らしていた新居。古崎正弘の家だ!

「なんでわたし、ここにいるの!」水原明美は慌てた。昨夜何があったのか、まったく思い出せない。

そのとき、寝室のドアが開き、青いカジュアルシャツを着た古崎正弘が立っていた。

「目が覚めたか?」

「古崎正弘……あなた、わたしに何したの」そう言いながら、水原明美は布団をめくって自分の服装を確認した。昨夜着ていたものと同じ...

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