第21章

不穏な雰囲気を感じ取り、水原明美は急いで中に入って制止しようとした。

「琴子、落ち着いて」

「明美……なんでそんなに馬鹿なの、ただのファッションショーじゃない、やらなければそれでいいのよ、自分をつらい目に遭わせないで」

「つらくないわ、お酒を飲むのは私にとって難しいことじゃないから」

水原明美と池田琴子が話している間、向かいに座っていた田中裕樹が突然難癖をつけてきた。

彼はテーブルに足を乗せ、威圧的な態度で言った。「水原さん、ちょうどいいところに来たね。あなたの友達がやったことを見てよ！ボトルを割って、俺の腕まで引っかいたんだぞ！」

池田琴子は反論した。「あなたが先に私を押したか...