第22章

二時間後、古崎正弘と鈴木美代の二人は市中央通りに姿を現した。

古崎のお母さんの要望に従い、二人は親睦を深める必要があったため、古崎正弘は鈴木美代に付き添って買い物に出かけたのだ。

鈴木美代は心中自然と喜んでいた。以前から何度も古崎正弘を誘ったものの、いつも失敗に終わっていたからだ。

今回やっとデートに出られたことで、鈴木美代は古崎正弘を引き連れて様々な店で食べたり飲んだり買い物をしたりした。しかし街歩きの途中、古崎正弘が立ち止まった。

「どうしたの?」

「別に」

彼は別にだと言ったものの、明らかに表情が不自然で、視線はずっと商店街の奥の方を見ていた。一体何を見ているのだろう?

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