第24章

古崎正弘は水原明美の質問に答えず、詰問するような口調で言った。「まず教えてもらおうか、君はここで何をしているんだ?」

「あなたに答える義理なんてないわ」

「私がお前の雇い主だからだ!」古崎正弘はそう言いながら、一束の書類を取り出した。

水原明美は書類を受け取って見てみると、天光法律事務所が水原明美をKMグループの代理弁護士として委託する契約書だった。

しかし、この契約書はすでに失効したはずではないか?前回彼女が「特許侵害事件」で勝訴した時点で、双方の委託関係は終了しているはずだ。

「この契約書を出してきて何の意味があるの?契約はもう失効しているわ」

「弁護士としては随分と不注意だ...

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