第2章

朝の日差しが天井まで届く大きな窓から邸宅の書斎へと降り注いでいたが、私にはその温もりを微塵も感じることができなかった。

私は諒哉のデスクに座り、妊娠五ヶ月になるお腹をそっと撫でた。脳裏には絵里の言葉が繰り返し響き、彼女に肩を貸して迷いなく立ち去っていった諒哉の姿が焼き付いて離れない。

「私が設計した家で二人が暮らしているのを見ると……本当に感慨深いわ」

その言葉を思い出すたび、心臓をナイフでえぐられるような痛みが走る。

諒哉は一晩中戻らず、何の説明も寄越さなかった。私はまるで置き去りにされた花嫁のように、周囲の哀れむような視線を浴びながら、あの茶番劇の幕引きを迎えたのだ。

医師からは妊娠中は安静にするよう言われていたが、絵里の言葉が毒蛇のように脳裏を這いずり回る。「彼女が設計した家……彼女は一体どういうつもりで言ったの?」この邸宅の設計は、本当に細部に至るまで彼女の手によるものだったのか?

私は深く息を吸い込むと、意を決して書斎の棚へと向かった。

引き出しにはビジネス文書、ファイリングキャビネットには不動産プロジェクトの資料が詰め込まれ、本棚には建築やデザイン関連の書籍が並んでいる……。あちこち探し回るうち、私の鼓動は早鐘を打つように激しくなっていった。

もう諦めようかと思ったその時、爪先立ちになって手を伸ばした最上段の棚の隅に、指先が一つのフォルダーに触れた。

「星野市 夢の邸宅――設計図原案」

心臓が激しく脈打つ。

震える手でフォルダーを開くと、目に飛び込んできた光景に私は雷に打たれたような衝撃を受けた。

図面の至る所に几帳面な文字で細かい要望が書き込まれていたが、それらはすべて……ある一人の好みに基づくものだった。

「主寝室、絵里は朝日を好むため、東向きに大きな窓を配置」

「キッチン、絵里好みのアイランドキッチンの高さ、九十センチ」

「ウォークインクローゼット、絵里の服装スタイルに合わせ、吊るすスペースを十分に確保」

「主浴室、大人二人が入れる大きさのバスタブ」

何より私を打ちのめしたのは、右下に記された日付だ――2019年3月15日。

私が諒哉と出会ったのは、2020年の4月。

「三年前……」何もない書斎で私の声が震えた。「私はずっと、彼女の夢の中で生きていたの?」

私はその書き込みを長い間見つめていた。頭の中は完全に混乱していた。怒り、屈辱、疑念……さまざまな感情が波のように押し寄せてくる。

日々の生活の細部を思い返す――朝の日差し、調理台、あのバスタブ……。

私の生活のあらゆる細部が、別の女によって入念に設計されていたのだ。

突然、携帯電話が鳴った。諒哉からのメッセージだ。

「今夜はかなり遅くなりそうだ。先に休んでいてくれ」

そのメッセージを見た瞬間、悲しみは激しい怒りへと変わった。

まだ逃げるつもり? たった一通の軽いメールで、昨日の屈辱を忘れるとでも思っているの?この動かぬ証拠があるのに。

私は設計図を強く握りしめた。頭にあるのはただ一つの思いだけ。答えが必要だ。それも、今日中に。

私はその設計図を手に、リビングルームで一日中待ち続けた。頭の中では無数の問いが渦巻いている。一分一秒が拷問のように感じられた。

午後八時、鍵が開く音が響き、諒哉が疲れた足取りで入ってきた。ソファで待ち構えていた私を見て、彼は明らかに驚いた様子だった。

「まだ起きてたのか? 医者にしっかり寝るよう言われただろう」彼は話題を変えようとした。「シャワーを浴びてくるよ……」

「ちょっと待って!」

私は立ち上がり、ローテーブルに設計図を力任せに叩きつけた。静まり返ったリビングに、鋭い音が残酷なほど大きく響き渡る。

「諒哉、説明して。絵里って一体誰? どうして私たちの家が、彼女の夢通りに設計されているの?」

諒哉の顔から一瞬にして血の気が引いた。だが、彼はすぐに平静を装った。「美咲、お前……俺の物を勝手に見たのか?」

「質問に答えて!」私の声はかつてないほど毅然としていた。「この図面にあの女が書き込んだ細部は、今のこの家の姿そのものよ。バスタブの位置まで完全に一致してる!」

「それは全部過去のことだ。考えすぎだよ」諒哉はバーカウンターへと歩き、私に背を向けてウイスキーを注ぎ始めた。「デザイナーにはいつだって特別なこだわりがあるもんだろ」

「過去?」私は設計図を掴み上げ、日付を指差して怒りを露わにした。「この設計図は2019年3月のものよ! 私たちが出会う丸一年前じゃない! 私たちは三年一緒にいて、二年同棲してるけど、その間ずっと、私はあなたの元カノの夢の家で暮らしていたってわけね!」

諒哉の手の中で、ウイスキーグラスが数秒間、動きを止めた。やがて彼はそれを一息に煽った。

「美咲、妊娠してるんだから。そんなに興奮しないでよ。絵里はただ設計を手伝ってくれただけじゃないか。それだけのことだろう」

「手伝っただけ?」

妊娠のせいではなく、あまりの怒りに目眩がした。

「だったら、どうして昨日の結婚式で私を置き去りにして、彼女の介抱に行ったの? 百人もの招待客が見ていたのよ! 私の両親だって……」

「彼女は友人だ。苦しんでいるのを放っておくわけにはいかなかった」諒哉は振り返ったが、その視線は逃げていた。「分かってくれよ」

「友人?」私は乾いた笑い声を漏らした。「友人が、あんな場所であんなことを言う? 友人が、新婚初夜に妻を置き去りにさせるようなことをするの?」

諒哉の表情が完全に冷え切った。

「言っただろう、考えすぎだと。絵里はもう行ったんだ。俺たちの生活は何も変わらない」

「変わらないだって?」

私は周囲の豪華な内装を指差した。悔しさが波のように押し寄せてきた。

「毎朝目が覚める時の日差しの角度も、料理する時の台の高さも、浸かるバスタブも……全部、別の女のために設計されたものじゃない! 諒哉、これがどんな気持ちか分かる? まるで他人の家に住み着いた泥棒のような気分よ!」

「いい加減にしろ!」

諒哉が突然、激昂したように声を荒らげた。

「美咲、お前はどうしたいんだ? 離婚でもしたいのか?」

その場の空気が一瞬にして凍りついた。

付き合って三年、諒哉の口から「離婚」という言葉が出たのは初めてだった。

私は目の前にいるこの男の冷淡な顔を見つめた。まるで、最初から彼のことを何も知らなかったかのように思えた。

その夜、私たちはそれ以上言葉を交わさなかった。続く二日間、諒哉は朝早く出て夜遅くに帰宅し、私たちは同じ屋根の下で完全な他人のように過ごした。

三日目の午後、私は実家の狭いリビングに座っていた。見慣れた、二十坪ほどの古いマンションだ。

あの邸宅の豪華さに比べると、ここのすべてがみすぼらしく見えた。中古のソファ、傷だらけのテーブル、黄ばんだ壁紙……。

「離婚? 気でも狂ったの?」

母の声は氷のように冷たく鋭かった。

「妊娠五ヶ月なのよ! 美咲、一体どうしちゃったっていうの?」

「お母さん、私もう、あんなふうには暮らせない……」私の声は震えていた。「自分の家なのに、まるで客人のような気分なの」

「客人で何が悪いんだ?」父がコーヒーカップを叩きつけるように置いた。「今のお前の暮らしと、ここを見比べてみろ! 彼と別れて、どこへ行くつもりだ?」

私は二十年以上の思い出が詰まったこの狭い空間を見回し、どうしようもない悲しみに襲われた。そう、私に何ができるというの?

「私たちには、あなたと子供を養う余裕なんてないのよ」母の言葉は残酷なほど現実的だった。「現実を見なさい、美咲! 世間がそんなに甘いと思ってるの?」

「でも、彼の心の中に、私はこれっぽっちもいないのよ……」ついに涙が溢れ出した。

「浮気をしていないなら、我慢するんだ!」父が私の言葉を遮った。「それが結婚というものだ! おとぎ話の世界にでも生きているつもりか?」

「それにね」母が口を挟む。その瞳には羨望の色が浮かんでいた。「諒哉さんはあんなによくしてくれてるじゃない! 星野市のあの邸宅、専属の医師、ブランド物のバッグ……。他の人なら喉から手が出るほど欲しがる生活を、何が不満だと言うの?」

「お父さんもお母さんも、分かってない……」私は絶望して目を閉じた。「物は大事だけど、でも……」

「でも、何だ? ロマンスでも求めてるのか?」父が立ち上がった。「美咲、目を覚ませ! 私と母さんは結婚して二十五年になるが、その間ずっと愛し合っていたとでも思うか? 子供には父親が必要だし、お前には生活の保障が必要だ。子供じみた真似はやめて、帰って謝りなさい」

両親の期待のこもった目を見て、私の心に残っていた最後の希望の光が音を立てて砕け散った。

最も身近な人たちでさえ、私の痛みを理解してはくれなかった。

午後十時、私は一人車を運転して星野市の邸宅へと戻った。

諒哉はまだ帰っていなかった。

私は膨らんだお腹を撫でながら、細部に至るまで絵里の趣味が反映されたこの「家」を見回した。目に入るものすべてが、私はただの身代わりでしかないという事実を突きつけてくる。

月明かりの下、私は一人で掃き出し窓のそばに佇んでいた。床に伸びる自分の影が、ひどく孤独に見える。

お腹の中の子供が優しく私を蹴った。何があろうと、私はもう一人ではないのだと教えてくれているかのように。

だが、その事実は慰めなのだろうか、それとも足枷なのだろうか?

私は瞳を閉じ、心の中で静かに問いかけた。

「赤ちゃん……ママは、どうすればいいの?」

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