第125章

翌日、高橋隆一はオフィスに着くなり、キャーキャーとうるさい騒ぎ声が聞こえてきた。

高橋グループビル十九階は普段静かなものだが、誰が彼のオフィスで騒いでいるのか?その声を聞けば高橋春香だとすぐわかる。

「何を騒いでるんだ、朝から?」

高橋春香は高橋隆一の声を聞くと口を閉じた。

「お兄ちゃん、このドレス気に入ったわ。義姉さんに言って、新しいの作り直してもらって。これ持って帰るから」

ドレスを運んでいた作業員たちは解放されたような目で高橋隆一を見つめていた。彼が来る前に、高橋春香が彼らを散々困らせたのだろう。彼女のお嬢様気質は収まることを知らず、自分の言うことを聞かない人には何...

ログインして続きを読む