第171章

お爺様は固執し、皆は説得できなかった。

高木さんが紙とペンを持ってきて、

「お爺様、準備ができました」

お爺様は枕に寄りかかり、病室を見回してからゆっくりと口を開いた。

「私が保有している高橋グループの株式は、高橋大輔に15パーセント、高橋恭介に15パーセントを与える。お前たち兄弟に半分ずつ、公平な分け方だと思うがね?」

高橋大輔が一歩前に出てお爺様の手を握った。

「お父さん、家族なんですから、そんなこと気にしません」

お爺様は続けた。

「美智子は高橋家に嫁いできてこれほど長い間、家をきちんと切り盛りしてきた。良い子だ。私名義の不動産はすべてお...

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