第35章

ある日、渡辺美代が花束を整理していると、花束の中に小さなカードが挟まっているのを見つけた。彼女は好奇心からそれを開けてみると、そこには「毎日が幸せでありますように。陰ながら応援している人より」と書かれていた。

渡辺美代の心は温かくなり、これはきっと叔父さんが送ってくれた花だろうと推測した。

しかし、その温かさは長くは続かなかった。オフィスで瞬く間に噂が広まったのだ。

「ねえ、聞いた?渡辺美代が金持ちに囲われてるって!」とある同僚が興奮気味に囁いた。

「そうよ、きっとたくさんの男と不正な関係があるから、こんなに花をもらうんだわ」と別の同僚が同調した。

渡辺美代は息が詰まって、心の中は...

ログインして続きを読む