第41章

山本美咲は軽く鼻で笑った。

「心配しないで、あげるわよ。道端に捨てても誰も拾わないようなボロいネックレス、あなただけが宝物みたいに思ってるのよ」

「山本美咲、警告するわ。母のことを悪く言うのはこれで最後にして。次に何か言ったら、容赦しないから」

山本美咲はまるで冗談を聞いたかのように笑い出した。渡辺美代なんて、彼女にとっては簡単にいじめる存在だった。

「そんなこと言って、私が怖いとでも?」

渡辺美代が顔を上げると、高橋隆一がホールから出てくるのが見えた。山本美咲も彼の接近に気づき、すぐに笑顔を浮かべ、両手で渡辺美代の腕に絡みついた。

「お姉さん、今年の誕生日の願いは、一緒に過ごし...

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