第201章

黒塔の人間はとっくに避難させられていた。

特に、上層階にある重要なフロアほど、高い役職を持つ上位者たちが真っ先に避難対象となった。

貴重な実験サンプルも一緒に持ち去られている。

だが、唐沢優子が探しに来たのはサンプルではなかった。

特殊実験プロジェクト研究センターの階層ゲートには、警備員が一人だけ残って守っていた。

ここは混乱の極みにあり、多くの実験体が研究室から逃げ出し、非常に危険な状態だった。

警備員は緊張した面持ちで武器を握りしめ、がらんとしたビルを守っている。いつ何時、未知の生物が飛び出してくるかと怯えていた。

その時、一人の男が非常階段から出てくるのが見えた。

相手...

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