第7章

 翌日、神谷陽輝は出勤した。

 彼は出かけ際に、私に釘を刺した。

「今夜は早めに食事を作っておけ。スープが飲みたい」

 私は答えた。

「分かったわ」

 彼の車が門を出ていくのを見届けると、私はすぐに用意していたボストンバッグを手に取った。

 小さなバッグ一つ。中には薬と、数枚の着替えが入っているだけだ。

 由美の車が、すでに裏口に停まっていた。

「雪奈!」

 由美は私の蒼白な顔を見て、一瞬で涙を溢れさせた。

「あの畜生、あんたをこんなになるまで痛めつけて!」

「行こう」

 私は弱々しく微笑んだ。

「空港まで送って」

 車が走り出す。私はバックミラー越しに、あの豪華...

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