第17章 五年後の帰還

速水ミオは唇の端を吊り上げ、溢れんばかりの笑みを浮かべながら、書類袋からゆっくりともう一通の書類を取り出した。

バサッ——

書類がテーブルに投げ出されるや否や、速水ナナがひったくるようにそれを手に取る。

それもまた、遺言書だった。

「お祖父様だけじゃないわ。お祖母様も生前に遺言を残していたの。彼女名義の学園と工場、そのすべてを私に譲るとね」

速水ミオは顎をしゃくり、速水ナナの手にある書類を示した。

「後ろに公証役場の公正証書も付いているわよ」

速水ナナは顔面蒼白になり、唇を噛み締め、まぶたを震わせた。

「こんな遺言書、無効よ」

速水ミオは鼻で笑った。

「あなたたちが勝手に...

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