第43章 生きて行き、死して帰る

アンナはカッと目を見開き、顔面蒼白のまま唇をわななかせて弁解しようとした。

しかし、氷室ジンには聞く耳などなかった。その表情は凍りつくほど冷ややかだ。

「クビだ。荷物をまとめて出ていけ。会社に与えた損害については、後日弁護士から連絡させる」

言い捨てて速水ミオの方へ振り返ると、打って変わって笑みを浮かべる。

「渡した資料、よく読んでおけよ。三十分後に俺のオフィスに来い。会わせたい奴がいる」

そして周囲の社員たちにも、朗らかな声で「さあ、みんな仕事に戻って」と声をかけた。

言うが早いか、彼は躊躇なくきびすを返して去っていった。

アンナは泣き喚きながら追いすがろうとしたが、江添秘書...

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