第63章 お父さんがいるっていいな

速水カノンと黒崎ユナは、互いに目配せをした。

速水カノンはドアを押し開けると、顔を覆う白いベールを押さえ、わあと大声を上げながら外へ飛び出した。周りの人だかりを突き飛ばし、猛然と駆けていく。

ハナさんは呆気に取られたが、すぐにスカートの裾をつまみ上げて叫んだ。

「お嬢様、どちらへ行かれるのですか!?」

彼女が後を追うと、背後の護衛たちも顔を見合わせ、室内のことなど構っていられずに後を追った。

入り口に誰もいなくなると、仮面をつけた黒崎ユナがそっと様子を窺うように顔を出した。

速水カノンは叫び声を上げながら店の外へ飛び出し、ショッピングモールの通路をひたすら走り抜けていく。

ハナ...

ログインして続きを読む