第66章 どうして服を着ていないの?

黒崎ユナは桜色の唇をちゅっと鳴らし、東雲シオの視線から逃げるようにうつむいた。

「とにかく、お母さんにはそう伝えて。あの人、強引な態度には反発するけど、優しくされると弱いの。下手に出れば出るほど、うまくいきやすいから」

言い捨てると、彼女は呆気にとられる東雲シオを尻目に、あくびを噛み殺しながら立ち上がった。

「おばちゃん、私もう眠いから休むね」

そう呟きながら、もっともらしく寝室へと消えていった。

部屋に戻るなり鍵をかけ、黒崎ユナは速水カノンに連絡を入れた。

その頃、速水カノンはベッドに寝そべり、音符で埋め尽くされた楽譜を前に頭を抱えていた。

カノンの目には、黒々とした音符が生...

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