第80章 黒崎統夜、私はあなたの妻よ!

部屋の中、速水ミオは驚愕に目を見開いていた。

彼女は黒崎統夜を一瞥するや、慌てて黒崎ユナの口を手で塞ぎ、声を潜める。

「カノン、こちらは黒崎様よ」

言いながら、しきりに黒崎ユナへ目配せを送る。

どうやらこの小さな体は恐怖のあまり限界を迎え、錯乱して訳の分からないことを口走っているようだ。

黒崎ユナは葡萄のように艶やかな瞳をしばたたかせ、速水ミオと視線を交わした。

しばらくしてようやく我に返ったのか、喉を小さく鳴らし、ミオの腕から顔を覗かせる。黒崎統夜を数秒間じっと見つめ、ようやく合点がいったように頷き、ミオに拘束を解くよう促した。

「黒崎様」

ミオの手が離れると、黒崎ユナは恭...

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