第11章 恋愛脳をぶつけてなくした

すべての期待が一瞬で打ち砕かれ、頭から足先まで冷たさが走った。

絶望の底に突き落とされるというのは、きっと今のような状態のことなのだろう。

わたしは電話を手に、長い間言葉が出なかった。

何か聞きたいことがあったが、それにも意味がないような気がした。

彼がどこへ行ったのか、言わずとも明らかだった。

確かに彼には言ったはずだ、次はないと。

つまり、これは彼が既に選択を下したということ。

そうではないか。

大人なら誰でも、取捨選択を知り、損得を計れるはずだ。

わたしは彼が何度も天秤にかけた末に、捨てられた方だった。

無意識に手がお腹に伸び、ふと考え始めた。本当にこの子を産むべき...

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