第18章 私はあなたの家のパスワードを持っていません

……

以前はこんなに執念深いとは思わなかった。

仕方なく彼の後ろについていくしかなかったが、説明する間もなく、藤原おじいさんが笑顔で優しく話しかけてきた。

「田中さんから聞いたが、絵里は引っ越したのか?」

「はい」

認めるしかなかった。おじいさまが怒ったら、なだめる方法を考えようと思っていた。

でも、おじいさまは私に怒る様子もなく、ただ藤原和也を睨みつけて「役立たずめ!自分の嫁すら守れないとは!」

「筋が通らないですよ。彼女が自分から出て行ったんです。わたしにどうしろというんですか?」

「彼女が逃げたなら、追いかけるのが当然だろう?」

おじいさまは呆れた様子で「お前はまった...

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