第21章 あなたは本気で離婚したいわけではない

思い直すと、可笑しくなった。

新婚の夜に置き去りにされたのはわたし、何度も誕生日に夫が不在だったのはわたし、心から欲しかったプレゼントが他人に贈られたのはわたし、出産検診の日にも夫が他の人に付き添ったのも、わたし……

今はもう離婚という地点まで来ているのに、友達が引っ越し祝いをしてくれただけで、彼は受け入れられないというの?

わたしは口元を引き攣らせ、目を伏せて彼を見た。「帰らないなら、藤原朋美に電話するわ」

藤原朋美が来て彼と騒ぎ出せば、彼はもう手に負えなくなるだろう。

藤原和也が急に強くわたしの腰を抱きしめ、額をわたしの胸に押し付け、掠れた声で言った。「絵里、こうなるつもりじゃ...

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