第23章 まさかあなたのお金で買ったのではないですか?

私は彼女に驚かされた。

後になって耳たぶに触れてみると、血はすでに乾いていて、赤い血の痂が少し剥がれ落ちた。

そうして触れると、耳たぶがまた痛みだした。

血が出るほど引っ張られたのに、私自身気づかなかったなんて。

中川桜が私の手を払いのけた。「こんな風に無理やり剥がすなんて、痛くないの?」

そう言うと、彼女はバッグからヨード綿棒を取り出し、私の髪を全部まとめ上げ、慎重に消毒し始めた。「どうしたの?」

「藤原朋美に引っ張られたの」

事の顛末を簡単に彼女に話した。

中川桜は怒って何度も罵った。「何なのよあの女、まるで強盗じゃない。自分のものじゃないのに、平気で手を出して奪うなんて...

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