第44章 藤原和也もあなたを狙っている

中川桜は我慢に我慢を重ね、とうとう手を伸ばして私の手から携帯電話を奪い取った。病気を抱えていても、彼女の戦闘力は少しも衰えていなかった。

「貴様!!!鏡がないの?まだトイレにも行ってないの?顔に『浮気相手』って文字が隠しきれないほど書いてあるのに、見えないの?それに藤原和也、お前は何なんだよ……」

私は全身に電気が走ったような衝撃を受け、相手が反応する前に飛びかかって電話を切った!

中川桜はまだ罵倒し足りない様子で、怒り心頭だった。「なんで切ったのよ!てめ!徹底的に叩きのめしてやろうと思ったのに!」

「落ち着いて」

元々は胸が詰まる思いだったが、今はすっかり冷静になっていた。中川桜...

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