第7章 俺のは立派だぞ

藤原和也は少し驚いた様子だったが、特に何も言わなかった。

私は唇を軽く噛み、静かに尋ねた。「じゃあ、結婚式の夜は?あれは何があったの?」

あの夜、私はベランダに座って一晩中待っていたことを、かすかに覚えている。

新婚の夜に、門入ったばかりの妻を置き去りにして、何の断りもなく出て行った。

何か大変なことがあったのだろうと思い、彼の身を案じながらも、自分のどこかが彼の気に入らなかったのではないかと考えたり、それでも彼が早く帰ってくることを期待したりしていた。

あの頃の私はまだ二十三歳で、思いがけず長年片思いしていた人と結婚したばかりだった。

結婚生活や彼に対して期待を抱かないわけがな...

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