第10章
その場に立ち尽くし、私は床にできた謎の巨大な足跡をただ見つめていた。
床一面に広がったコーラが、一メートル半ほどの長さはあろうかという巨大な足跡を、くっきりと描き出している。その足跡は、ここにいる誰のものでもない。巨大な獣のようでありながら、どこか不気味な人型を帯びていた。
先ほど窓が開いたのは、ただの風のせいではなかったのだ。闇の鬼の仕業だった。奴は、もうこの部屋の中に入り込んでいる。私たちの、すぐそばに。ただ、その姿が見えないだけで。
「鬼はもう入ってきてる!」
私は大声で皆に警告した。
「足跡に注意して! 姿が見えない!」
川崎美奈は顔面蒼白になり、素早くそばにあ...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 第12章

13. 第13章

14. 第14章

15. 第15章

16. 第16章

17. 第17章

18. 第18章

19. 第19章

20. 第20章

21. 第21章

22. 第22章

23. 第23章


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