第11章

私は、その言葉をすぐさま皆に伝えた。途端に、部屋の中にいた全員が示し合わせたかのように、ぴたりと動きを止め、一切の音を立てなくなった。

鬼は、呆気に取られたのだろうか。

私たちも、ようやく息をつく暇を得た。

しかし、その時だった。耳障りな電子音が、静まり返った部屋にけたたましく響き渡る。

ピピピッ、ピピピッ——。

しまった、腕時計のアラームだ。

私は腕時計を部屋の隅へ勢いよく投げつけ、鬼の注意を逸らそうと試みた。

だが、見えない巨大な力が私の首を締め上げ、体はふわりと床から持ち上げられた。窒息感が冷たい潮のように押し寄せ、私はもがきながら、空中で虚しく両足をばた...

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