第14章

「百鬼夜行第四の戯れ、『鏡の審判』。これより開廷する」

月の鬼の声が、七一二号室に厳かに響き渡る。私たち三人は輪になって立っていた。疲労はとっくに限界を超えていたが、この悪夢のようなゲームを続けるしかなかった。

「ルールは単純」

月の鬼は言葉を続ける。

「お前たちには投票形式で、この場にいる者の中から、最も死にふさわしいと思う者を審判してもらう」

その言葉が終わるや否や、部屋の中央の床に、一面の古めかしい和鏡がすうっと浮かび上がった。鏡面は青銅色の鈍い光沢を放ち、縁には複雑な鬼面の紋様がびっしりと彫り込まれている。突如、鏡面が液体のようにぐにゃりと歪み、変形し始めると、やがて...

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