第16章
「これは何のブラインドボックス? どんな使い道があるの?」
荒木千夏が、用心深く尋ねた。
私は視線を配信画面へと移す。そこには、精巧な木箱が一列にずらりと並べられていた。日本の伝統的な骨箱に似た形状で、表面には古代の梵字がびっしりと刻まれており、薄暗い照明の下で、不気味な光を放っている。
「これらは、使い捨ての霊力アイテムだ」と月の鬼が言った。「触れるだけで引ける。一人一つ限り、使用後は消滅する」
荒木千夏は一瞬ためらった後、意を決したように前へと歩み出した。
しかし私は、どれを選ぶべきか分からず、その場に立ち尽くしていた。
その時、柳沢明日香の腕で何かが蠢いているのに...
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9. 第9章

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